先日、一家揃ってノロウイルスに感染してしまいました。
子供が保育所から貰ってきて、あっという間に私も主人も感染。猛烈な嘔吐に苦しめられました…
皆様、感染症対策はしっかりと、お気を付けくださいね。
さて、新型コロナウイルスはいまだ収束が見えず国民をいろんな面で苦しめていますが、昔から日本人を苦しめてきた伝染病や感染症と思われていた病気があります。
「脚気」というのですが、お若い方はご存知でしょうか?
ビタミンB₁欠乏症ともいい、その名の通り体内のビタミンB₁が欠乏して起こる疾病です。
重症になると命に係わるので侮れません。
ビタミンB₁を含む食品を摂取する事で予防が出来ます。
先述した通り、この疾病は日本人を苦しめてきました。古くは奈良時代には脚気の症状が記述されているらしいです。
日本人の主食は米です。
米は白米の状態だとビタミンB₁を殆ど含みません。
精米した白米の食べられる一定以上の身分の人が多く罹患していました。
これが江戸時代になると罹患者はぐんと増えました。精米技術が発達し、玄米ではなく白米が食べられる率が増えたためです。
また、参勤交代で江戸に滞在している武士(役人)も白米を食べます。すると、やはり体内のビタミンB₁が欠乏し、脚気を引き起こすのです。しかし、地元に帰って今まで通りの食生活を送るようになると、脚気の症状が回復した人が多くいました。
なので、「江戸患い」などとも呼ばれていたようですね。
さて、更に脚気に苦しめられたのは明治時代になってからです。
明治期には大きな戦争が二つありました。
明治維新後に西洋化された軍隊。食事は西洋化された訳ではなく、主食は変わらず白米でした。(たまにパンも出ましたが不人気でした…)
この時代、まだ地方では玄米や麦飯が主流であり、白米は滅多に口に出来ないものでした。それが軍では毎食食べられます。なので、志願兵も徴兵された兵たちも皆、白米をモリモリ食べます。平時も戦時も。
もう皆さんお分かりですね。脚気罹患者が膨大に出ました。
特に階級の低い兵は、給金を貯めるために食事内容をケチっていた事も罹患者の多い要因の一つです。
ビタミンが発見されたのが約100年前なので、当然といえば当然ですが、病気の原因は不明でした。
伝染病説、感染症説、西洋では殆どみられない為に風土病説など、様々な説が唱えられました。
海軍軍医が食事が原因ではないかと唱え、海軍内で改革・改善に取り組みました。
ただ、この時はタンパク質不足が原因と考えられたのですが、パンと肉中心の食事に変更し、結果的に罹患者軽減に成功しました。小麦にも肉にもビタミンB₁が多く含まれていますからね。
しかし、陸軍ではこのような改革は行われませんでした。軍医たちが伝染病説推しだったんですね。
結果、日露戦争では戦死者よりも脚気による死者が上回ってしまいました。大損害です。
ビタミンが発見され、研究も進み、脚気の原因がビタミンB₁であると分かると、罹患者は減っていきました。
現代では滅多に罹らない病気になりました。
しかし、偏った食事を続けていると罹る確率が上がりますので、くれぐれもバランスよく食事を摂ってくださいね。
では。
かも店 ノロ感染で食事が満足に摂れなかったU
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